北欧家具や食器へのあこがれと現実
あれは21歳頃のことでしたか。
仕事先の人に連れられて、渋谷と恵比寿と中目黒のあたりを歩きました。
おしゃれなセレクトショップやカフェ、雑貨店に目を奪われながら、いちばん気に入ったのが家具屋さんがぎゅうと集まった通り。
もちろんそのころのわたしには買えるはずもない値段のものばかりでしたが、いつかこんな暮らしがしたいと思ったものです。
なかでもあこがれたのは「椅子」。
ひとり用で、ゆっくり本が読めて、長く座れてくつろげる椅子がいつかほしいと思っていました。
北欧ブームがきたのはそのあと。
時が流れて28歳、縁があって結婚することとなり、しばらくして今の家に越しました。
この家。
築30年、昭和の建築、水回りだけリフォーム済み。
急な話で管理かたがた住む事になったので、家財道具も半分以上そのまま。
逆立ちしたって、綺麗な壁紙や白木の家具が似合いません。
ついでに、夫も夫の家族も和食器好き。
ラインナップは選択肢なく8割がた塗り物と焼き物。北欧食器を追加しようにも、他の食器と合わなくて……
それでも、好きなように家を整えたい。
そんな気持ちで、暮らしています。
いつか書斎をつくって、椅子、置くんだ……。